執筆者挨拶
「心理学と経営」という題目で、「産業・組織心理学」研究で明らかになったいろいろな事柄を紹介させていただきます。心理学の知見が皆様の経営に少しでもお役に立てればという気持ちでおります。
自己紹介をいたしますと、私は国立大学法人東京海洋大学の海洋工学部で、主に一般心理学、教育心理学、認知心理学を教えています。主に知覚心理学の研究を行ってきましたが、この数年、産業組織心理学に興味をもって詳しく学んでいるところです。そこには理由があって、経営マネージメントを、特にストレス対処法を学びたいという社会人研究生を受けいれ、一緒に学んだことです。それ以来、現実社会のことに興味をもち、卒業生とともにマネージメント研究会を立ち上げました。
一般心理学や教育心理学のなかに、リーダーシップ、動機づけ、行動経済学、ストレス対処法に関連した項目がありますので、産業組織心理学に関する一般的な知識はあったのですが、現実と理論がかなり異なっていることに驚きましたし、その違いが面白いと感じています。行動経済学という学問分野をうちたて、ノーベル賞を受賞した学者が認知心理学者であったこともあって、このところ人間の行動(動機づけ、リーダーシップ、ストレス対処法など)が経済活動に及ぼす影響については非常に多くの研究が発表されています。皆さんにこれらの研究結果をうまく伝えられればと思っています。
下野孝一
